雨音/1

良守編|2016/10/28 posted.

夕方から降りはじめた雨が、いよいよ本降りになって屋根をたたく。
その音を聞きながら、時計の針がそろそろ午前0時をまわろうかという頃、
良守は結界師装束に着替え始める。

まだ妖侵入の気配はない。
だが、長年の勘からそろそろな頃合いであることは容易に察しがつく。

窓の外を見遣れば真っ暗な闇を雨粒が無遠慮に濡らしている。

ここ数日の時音はなぜだかぼんやりしていてつかみどころがない。
たずねてみても明確な答えを示さない時音と
今夜のこの雨に、余計に気の滅入るばかりの良守だった。

少し早いが良守は天穴を手にし、スニーカーをはくと引き戸を開けた。
傘を手に敷居をまたぐ。
傘を打つ激しい雨の音が良守を包み込んだ。

烏森に向かう途中、妖侵入を感じた。
が、次の瞬間、それが滅されるのがわかった。

「時音」

自然、良守の口から出たその名の主が、烏森にて妖を始末したのだ。

(あいつ、ずいぶん早く学校に)

良守は走る速度を上げた。

烏森に到着した良守の目にとびこんできたのは、
激しい降りに頭からずぶぬれになって立っている時音の姿だった。

「ちょっ・・カゼひくぞ!こっち来いっ」

良守は雨でびしょぬれの時音を屋根のある場所へ手招きした。

リュックから取り出したタオルを時音に渡す。
ありがと、と小さくつぶやくと時音は濡れた顔をタオルで押さえた。

「時音、お前どうしたんだよ、ここ数日、なんかおかしいぞ」

一瞬、目が合う。時音は伏し目がちに「ごめん、ちょっと疲れてるだけ」と言った。

「こんなに濡れちまって。いつも自己管理も仕事のウチだーつってんの、お前だろっ」
「うん」

ぼんやりと雨の降りしきる闇を見つめる時音を何気なく良守は眺めた。

瞬間、

「と、時音、おまっ・・・」

思わず、声がうわずる。

それもそのはず。

雨に濡れた時音の白い装束は
いくらタオルで水気を拭ったとはいえ、ぴったりとカラダに張り付いてしまっている。
そして時音のボディラインがしっかりキレイにあらわれていてー。
そう、胸元にはくっきりと下着のラインが。色までわかってしまうじゃないか。

見てはいけない、と思えば思うほど、良守の視線は時音に向く。
あまりに美しく、そして・・・・。

つまり、高2女子のその姿は中3男子の劣情をひきだすのにじゅうぶんすぎたのだ。

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author: lala (ララ)

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