続・つまりは彼女に。/1

良守ではない誰か編|2016/10/28 posted.

この状況をなんとか変えたい。

少しでいいから前進したい。

何度か、彼女の自宅に電話を入れようとした。
電話番号は友人知人を頼ってさりげなく入手済みだったから。

だけども、ハタと考えたんだ。
これってかなり怪しい行為じゃないか?

こんなことしていていいのか、受験生だろ!

―とも思うのだが、だからこそ、もっと素直になりたいと思う今日このごろ。
なぜなら、彼女と毎日会えるのも今年限り。
ただの片想いの思い出、として残すのはあまりに悲しい。

彼女の名前は雪村時音。

彼女はたぶん俺のこと、ほとんど知らない。

でも俺は知ってる。

彼女の名前、電話番号、住所、親しい友人。

そして-親しい中学生。

◇◇◇

「雪村さん、いるかな」

彼女のクラス入り口付近の男子生徒に聞いてみる。
彼は、いぶかしげな表情で俺を見たが、次の瞬間、「雪村~!!」と大きな声をあげた。

彼女は静かにやってきた。
そのいつもどおりのクールな立居振舞に
俺は”やっぱり雪村さんだな”と、なぜだか誇らしい気持ちになる。

「何?」さきほどの男子生徒に話しかける彼女に、呼び主は自分なのだと告げた。

◇◇◇

学校は下校前のあわただしい時間帯、さっさと言うこと言わなきゃな。
彼女も友達を待たせてるかもしれないし。

少し歩いて、校舎の人目につきにくいところへやってきた。

あきらかに警戒している彼女に向き合う。
ひと呼吸して、そして告げた。

「単刀直入に言う。君のこと、あれからずっと気になってます。」

あらかじめ用意しておいたメモを彼女に渡す。
メモには俺の名前とクラス、ついでに携帯の情報も書いてある・・・あんまりイミなさそうだけど、一応。

すると彼女、それ見てさらに警戒心を強めたような雰囲気。

「驚かせてごめん。俺、3年なもんで、時間もあんまりない上、君と接点ないし。
だから強硬手段とりました。絶対に連絡くれってわけじゃないから、安心して」

それだけ言うと高鳴る鼓動をきづかれぬよう、あくまで自然に俺は彼女に背を向けた。

彼女の表情を見る余裕なんてまったくなかった。

◇◇◇

予想通り、君からメールなどこない、くるはずもない。

そもそも君が携帯を触ってる姿など見たこともないし、
ひょっとするとそういったものは持っていないのかもね。

なのにいちいち、携帯を気にする自分がいて、俺は恋する自分を実感した、痛感したよ。

―あのあと、君はどんな表情で帰ったの?

―あの中学生に君は、俺のこと話したりするのか?

そんなこと考えると、少し胸が痛んだ。

最近のコメント

plofile

author: lala (ララ)

『結界師』がお気に入りです。

原作で満たされなかった想いを二次創作にぶつけています。

◇声をかけていただくと嬉しい^^
ご感想、ご意見、ご要望など→各記事「WEB拍手」、日記「コメント欄」からど~ぞ♪ 
※カテゴリ「日記」のコメント欄、使用可能になりました。

◇現在、サイト工事中。ご不便おかけします。(もうすぐ完了しそうです)